パイロットの年収は航空会社や事業によっても異なります。また、国内だけでなく海外での就職先も見据えている方にとっては外国の平均年収も気になるところでしょう。本記事では事業ごとのパイロットの平均年収や年収が高い理由についても解説していきます。平均年収を理解してさらなるモチベーションにつなげていきましょう。
パイロットの平均年収 性別と年齢別
パイロットの平均年収は1,725万円です。日本人平均年収433万円と比べると約1,300万円も高い値となります。年収が高い理由としては、多く乗客の命を預かる仕事であり、空の上での操縦という精神的にも肉体的にも負担の多い職場であるということが起因しています。また、パイロットの年収は性別や年齢などによっても異なってきます。男性パイロットの場合の平均年収は1,733万円であるのに対し、女性パイロットの平均年収は894万円となっています。女性パイロットは産休や育休などによって操縦時間が男性パイロットよりも減ってしまうことが起因しています。年々女性パイロットは増えていますが、出産や育児による離職は多くまだまだ男性の割合が多くを占めています。背景にはパイロットになるための厳しい身体条件に女性が該当しずらいことも挙げられます。年齢別では50歳~54歳が2,745万円と年収のピークとなります。平均年収である1,725万円には40歳後半で到達するという統計が出ており、20代ではおよそ475万円にとどまります。
パイロットの平均年収 企業別の年収と国内・国際線の年収差
ここではパイロットの企業別平均年収と航空会社以外の業種でパイロットとなった場合に平均年収について紹介します。企業別に平均年収を調査すると、大手航空会社になると10000万円以上の年収をもらっている可能性が高くなります。航空会社全体の平均年収と比べると45万円ほど高くなっています。しかし、大手航空会社で平均年収に値する額をもらう年齢を見ると35歳以上であることが多く、35歳未満のパイロットは上場企業のなかでは比較的低く設定されています。その他の航空会社も企業によるばらつきはありますがおおよそ1,100万円~1,300万円の年収をもらっています。パイロットの給与の大半は飛行時間に当てられるため、フライトがなくなれば給与に影響を及ぼします。また、パイロットのフライトは運転できる機種によってスケジュールが組まれるため、国内線と国際線の操縦による年収差はありません。
航空会社以外のパイロットの年収
一口にパイロットといっても就職先は多岐に渡ります。自衛隊や海上保安官など航空会社以外の年収について見ていきます。まず、自衛隊のパイロットとして業務を行った場合の年収です。階級や年齢によって年収は前後しますが、最も位の高い30歳の幹部自衛官になると年収は約1,000万円に上ります。自衛隊のパイロットになると基本給+8割が航空手当となって加算されます。例えば、基本給が25万円の場合には、航空手当分の8割として20万円がプラスされるため月収は45万円となります。したがって、年齢とともに基本給が上がる分だけ手当が増え年収も増加することとなります。自衛隊のパイロットにはヘリコプターパイロットや戦闘機パイロットなど機種の違いがありますが、基本的な年収誤差はないと考えて良いでしょう。
次に、海上保安庁のパイロットの場合です。海上保安庁のパイロットの平均年収は710万円となり一般的には乗船員よりも高い年収となります。乗船手当にプラスして飛行手当がつくことが起因しています。階級を上げることで年収1,000万円に到達することも可能です。
海外でパイロットになった場合の年収
日本のみならず海外でパイロットとして活躍したいと考える方もいるでしょう。パイロットの海外年収事情について見ていきます。海外のパイロットの場合、日本のパイロットとは異なる特徴が2つあります。1つに、海外のパイロットは操縦機種ごとに年収が変動することです。特にアメリカの場合はフライトする機種の社名ごとに給与が変わるといわれています。一般的には、大型ジェット機のほうが小型ジェット機よりも高い給与が設定されています。2つ目に、海外のパイロットの場合、給与体型が時給換算の国が多い点です。日本のようにパイロット職が特別視されている国は少なく、給与体系は月ベースの飛行時間と地上勤務の時間に合わせた時給制となっています。
パイロットの年収が高いのはなぜ?その他、高収入の職業とはどう違うか
高収入と言われる職種のなかには、医者、公認会計士、大学教授、弁護士などがあります。パイロットも高収入を得ることのできる職種のひとつですが、数ある職種のなかでも最も給与が高く設定されています。パイロットが最も高収入と言われる原因はどこにあるのでしょうか?パイロットは地上から離れた空の上で何百人もの乗客の命を預かる責任の重い仕事となります。フライト時間によっては、隔離された空間のなかで長時間過ごすことも多く、精神的にも肉体的にも負担が伴うようになります。現在の最先端技術をもってもパイロットに変わる機械はありません。代わりの効かない技術力を必要とすることから高収入が発生するといえるでしょう。
パイロットの仕事内容と必要な資格
パイロットと聞いてまっさきに思い浮かべる旅客運輸があります。旅客運輸では乗客を乗せて目的地までフライトを行うことが主な業務となります。旅客機を操縦するためには、操縦室で機長と副機長が連携を図ることが重要です。機長は、飛行に関する全責任を負いながら、他の乗組員の指揮官監督も務めます。一方で、副機長は航空官政官との通信や飛行機機の管理にあたりながら機長の補佐役としてサポートに努めることが求められます。その他、航空会社以外でパイロットの仕事内容や目的は異なってきます。
パイロットに必要な資格としては、「自家用操縦士」「事業用操縦士」「定期運送用操縦士」の3つの種類があります。自家用操縦士はその名の通り、私用を目的とした操縦を行うための資格です。事業用操縦士は乗客を乗せた運送を行うための資格です。定期運送用操縦士は郵便物など国外に向けて輸送物を取り扱う操縦士の資格となります。いずれのパイロットの資格においても現場では航空官政官の指示に従いながら、空の状況に応じて高度や進路を見極め実行する能力が必要となります。機体の操縦技術だけでなく指示を的確に読み取る読解力や理解力を冷静に判断できる力が求められるため、資格取得を目指しながらそうした身体能力を磨いていくことが大切です。
まとめ
パイロットの年収について性別や年齢、企業別に見てきました。パイロットの年収はその他の高収入な職種よりもトップレベルで高い収入となっています。しかし、その分だけ責任が重大であり、精神面や体力面でも負担の大きい仕事です。年収に見合う仕事を追行していくためには、知識や技能だけでなく経験値も年齢とともに高めていく必要があります。これからパイロットを目指す方は、資格取得だけを目指すのではなく、パイロットになったさいにどのような仕事を行なっていきたいのかを描きながら学びを進めていくことでモチベーションや向上心を高めていくことができます。