サラリーマンでも空を飛べる⁉︎休日を使ったライセンスの取得方法

サラリーマンでも空を飛べる⁉︎休日を使ったライセンスの取得方法

空を飛び、世界のあちこちを旅する飛行機。幼少期にパイロットに憧れた人は少なくないでしょう。しかし、実際にパイロットになるためには専門の学校や高い倍率の就職試験を突破しなければなりません。大人になるにつれて夢を諦めサラリーマンとしての日々を過ごしている方もいるのではないでしょうか。「いつかパイロットになって空を飛べたら…」そんな夢を現在も持っている方に朗報です。サラリーマンでも休日を利用すれば、パイロットのライセンスを取得することができます。本記事では、休日を使ったライセンスの取得方法や実際に飛行機を購入する際の費用や維持費に至るまで解説していきます。

ライセンスの種類は3つ

ライセンスを取得したいと考えたら、取得したいライセンスの種類を選びます。パイロットのライセンスの種類には「自家用操縦士技能証明」「事業用操縦士技能証明」「定期運送用操縦士技能証明」の3つがあります。車の免許と同じように、飛行機の種類や飛行の目的に応じて取得するライセンスが異なりますので、自らの用途に合わせたライセンスを選ぶようにしましょう。ここでは、3つのライセンスの違いについて紹介します。

自家用操縦士技能証明は、自動車でいうところの「普通自動車第一種免許」にあたります。あくまで私用で使うためのライセンスであるため、商業目的での使用はNGとなります。また、自家用機を操縦する場合には「固定翼自家用操縦士」のライセンスが必要となり、ヘリコプターを操縦する場合には「回転翼自家用操縦士」のライセンスが必要になるなど操縦機に応じて必要なライセンスも変わりますので注意しましょう。

事業用操縦士技能証明は、主に物資の輸送や人命救助、遊覧飛行といった事業目的で使用したい場合に必要なライセンスです。事業用操縦士技能証明は、自家用操縦士技能証明を持っていないと取得することができないようになっています。

定期運送用操縦士技能証明は、事業で操縦するためにパイロットが2人以上必要となる大型航空機などの操縦に必要なライセンスです。大手航空会社などに入社後に経験を積みながら取得するライセンスとなります。

以上、3つのライセンスの違いについて説明してきました。会社員として働きながら取得を目指す場合には、自家用操縦士の証明を目指すことが一般的と言えます。退職後に事業を起こしてみたい方はその他のライセンスを取得することは可能ですが、長いスパンで学びを続ける必要があります。心して挑みましょう。ちなみに、操縦するためには別に「航空身体検査証明書」と「航空特殊無線技士」または「航空無線通信士の免状」が必要となります。

ライセンスを取得するための費用や期間

取得したいライセンスが決まったら次に気になるのは、ライセンスを取得するための費用や期間ですね。社会人として会社に勤めながら取得する上では、決して無駄な時間を取りたくはないはずです。操縦ライセンスを取得するためにかかる費用は、取得方法によって個人差がありますがおおよそ600万円~800万円となります。訓練時間としては、サラリーマンの場合休日を全て使用すれば2~3年ほどでライセンスを取得できるといわれています。日本の雇用システムではなかなかまとまった休みを取りづらくなりますが、3ヶ月ほどの休暇を取得できる場合には、海外で資格を取得するという方法もあります。アメリカでは短期集中型でライセンスが取得できる他、費用も国内の3分の1ほどで済みます。英会話のスキルとしては、試験管との日常会話程度が必要となりますが、費用は渡航費や滞在費などを含めて約180万円~250万円ほどとかなりの格安です。特にサンフランシスコでの操縦訓練はシエラネバダ山脈のなかにあるタホ湖を眺めることができ日本人に人気の操縦留学となります。しかし、日本とは異なる不確定要素がいくつかある点には注意が必要です。自家用操縦士を取得する場合、有視界飛行の条件に適していないと訓練ができません。天候不順が続く時期に渡米してしまった場合には取得期間が伸びてしまう可能性があります。また、現地のフライトスクールのサービスを見極めることも大切です。スムーズに手続きを行なってくれる場所もあれば、手続きに時間を有する場所もあります。受付の対応の良し悪しや在籍している訓練生に話を聞くなどの対策を取ると良いでしょう。その他、空域なども日本とは異なりますので海外の地形が苦手な人はあらかじめ把握できるよう学習しておきましょう。

マイ飛行機を購入するための方法

ライセンスの取得ができたら、自分だけの飛行機を手に入れたいものです。飛行機は高額なイメージがありますが、一般の会社員でも購入可能なのでしょうか。結論から言うと新品の購入はかなりハードとなります。4人乗りの自家用機の相場は3,000万円~4,000万円ほどとなり、高額なものだと8,000万円~1億円に上ります。ハリウッド映画などにみられるプライベートジェット機は数億円を上るものがほとんどです。そこで、おすすめなのが中古の飛行機となります。数はあまり出回っていませんが、安いものだと300万円ほどのものを見つけることができます。中古として出回っている飛行機の機種としては、ピーチクラフト社製の「ボナンザ」やセスナ・エアクラフト社から出ている「セスナ172」などがあります。いずれも新機だと高額となりますが、中古になると価格を抑えることができますのでぜひチェックしてみてください。

飛行機の維持にかかる費用

自家用飛行機を購入するためにはかなりの出費が必要となります。せっかく購入しても眺めているだけでは劣化の一途を辿ってしまいます。安全に操縦するためにも細めなケアが大切です。飛行機の維持費としては、機体の大きさなどで異なりますが、4人~6人の乗車が可能なセスナ機やボナンザの場合の年間維持費は200万円ほどとなります。重ねて保険料が120万円ほどかかります。燃料費は1時間1万円ほどですが、エンジンの出力によっては燃料の消費率が左右しますので一概にはいえません。合計するとおよそ320万円となります。月単位ではおよそ27万円かかる計算です。医者や会社経営者など高収入でないかぎりワンオーナーとして所有することは難しくなります。個人での所有が難しい場合には、複数の仲間と共同のオーナーとなって所有することも可能です。飛行機や空の旅を愛好する仲間を募れば、シェアする時間も楽しみの一つにすることができます。

まとめ

会社員として操縦ライセンスを取得する方法と飛行機を購入する際の費用や維持費について紹介してきました。サラリーマンとして会社に勤めながら飛行機の操縦をするためのライセンスとしては、自家用操縦士技能証明を目指すことが一般的となります。休日を全て利用すれば2年~3年ほどで取得が可能のため、ある程度資金を貯めていればチェレンジすることは難しくありません。長期の休暇制度等を活用できれば海外で安く操縦訓練とライセンスを受けることもできます。マイ飛行機の購入と維持費にかかる費用もハードではありますが、同じ趣味を持つ仲間と共同で購入すれば価格を抑えることが可能です。一度ライセンスを取得できれば、定年後も操縦を楽しめます。人生をより豊かなものにするためにも、ライセンス取得を目指してみませんか?